イージスガンダム (Aegis Gundam) は、アニメ『機動戦士ガンダムSEED』に登場する架空の兵器(モビルスーツ・略称はMS)。(型式番号:GAT-X303)本項では発展機であるロッソイージス(型式番号:GAT-X303AA)の記事も掲載する。
注意:以降の記述で物語に関する核心部分が明かされています。
イージスガンダム[]
イージス | |
型式番号 | GAT-X303 |
所属 | 地球連合軍→ザフト軍クルーゼ隊 地球連合軍第81独立機動群“ファントムペイン”(再建造機) |
建造 | オーブ連合首長国(モルゲンレーテ社) 地球連合軍(アクタイオン・インダストリー社)(再建造機) |
生産形態 | 試作機 |
全高 | 18.86m |
重量 | 79.60t |
装甲 | フェイズシフト装甲 |
武装 | ・75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」×2 ・60mm高エネルギービームライフル ・ビームサーベル×4 ・対ビームシールド ・580mm複列位相エネルギー砲「スキュラ」 |
主な搭乗者 | アスラン・ザラ エミリオ・ブロデリック(再建造機) |
機体解説[]
X303イージスは、地球連合加盟国大西洋連邦がオーブ連合首長国公営企業モルゲンレーテ社の技術協力を受け、オーブ管轄の資源コロニー「ヘリオポリス」内にて極秘開発した5機のG兵器の1機である。
本機最大の特徴は他の機体に採用されたX100、X200番フレームとは根本的に構造が異なるX300番台の可変フレームを採用し、モビルアーマー(MA)への変形機能を備えている点である。MAは限定空間内での機動性ではMSに大幅に劣るものの、反面単一方向への速力はMSを上回る。イージスはその状況に応じた最適な形態を選択する事で、単体での高い攻撃力、汎用性を実現している。MA形態は両手足を進行方向に伸ばした巡航形態と、その手足を広げ腹部に装備された580mm複列位相エネルギー砲「スキュラ」の使用を可能とした砲撃戦形態に分けられ、前面投影面積の少ない巡航形態で突撃後、接近した所で両手足のクローを展開し敵MSや艦船を捕捉して、手足に内蔵されたビームサーベルで切り裂く、もしくは腹部のスキュラを零距離から発射して目標を完全に破壊する。もっとも、スキュラ自体は同時期のMS用武装の中でも最大級の破壊力を有している為、通常射撃でも充分な威力を発揮出来る。又、他の4機との連携行動における指揮官機として開発されていた為、頭部に大型の多目的センサーユニットを搭載する等、通信・分析能力がより強化されている。
しかし変形機構が複雑過ぎる上に使い勝手が難しい為か、強奪された後、GATシリーズの中で唯一、量産型と思われる機体は開発されていない。ただし、強奪したザフトでは、本機の可変機構を踏襲した核エンジン及びニュートロンジャマーキャンセラー搭載型のMSZGMF-X11Aリジェネレイトが開発されており、連合でも再建造された1機が、ロッソイージスとして改造を施され、ファントムペインに配備された。
「イージス」はギリシャ神話の最高神ゼウスが娘アテナに与えた防具アイギスに由来する。
武装[]
- 75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」
- 頭部額部に2門装備されている近接防御機関砲(CIWS)で、デュエル、ストライクにも同型の装備が搭載されている。イージスは頭部に大型センサーを搭載している為、他機より設置箇所が若干下方になっている。
- 60mm高エネルギービームライフル
- MS形態の主力装備である専用ビームライフル。構成部材やデバイスはデュエルやストライク等のライフルと同等品だが、若干口径が拡大されており形状も大きく異なる。MA形態時と非使用時は右腰にマウントされる。
- ビームサーベル
- 両腕・両脚のクローを発振源とするビームサーベル。完全な固定装備で抜刀動作が不要というメリットはあるが、ビーム刃が腕の延長線上に出力される為、通常のサーベルとは用法が異なる。又、脚のビーム刃は爪先部分から出力する為、蹴りに連動して使う事も出来る。MA形態での使用も可。
- 580mm複列位相エネルギー砲「スキュラ」
- MA形態でのみ使用可能な大口径エネルギービーム砲。戦艦を一撃で沈めるほどの威力を持つ。
- 名称の由来はギリシア神話の怪物、スキュラから。
- 尚、初期設定ではMS形態での発射も予定されていたようで、模型誌等には当時の検討用画稿も公開されていた。
- 対ビームシールド
- 対コーディングを施されたシールド。他の系列機とは大きく運用法が異なるイージスの専用装備であり、他の系列機とは大幅に形状が異なる。非使用時及びMA形態時は左腰にマウントされる。
劇中での活躍[]
本機はC.E.71年1月25日、ヘリオポリスを襲撃したザフト軍のクルーゼ隊によって強奪され、その作戦に参加したトップガン、アスラン・ザラの専用機となった。以後は同じく強奪した3機と共に元々の搭載艦である地球連合軍の新型艦アークエンジェルや、唯一強奪を免れたX105ストライクを再三窮地に陥れていく。
C.E71年4月17日、オーブ近海の孤島にてストライクと激闘を繰り広げ、MA形態で組み付きその状態でスキュラで止めを刺そうとするが、発射直前にPSダウンを起こし失敗。急遽そのまま状態で自爆し四散している。
備考[]
イージスガンダムの色とトサカ状の頭部センサーのデザインは、機動戦士ガンダムのシャア専用機の色とアンテナを模したものといわれている。ジャスティス・セイバー等、アスランの搭乗する他の機体もこのデザインが踏襲されている。
ロッソイージス[]
ロッソイージス (Rosso Aegis) は、『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 ⊿ ASTRAY』に登場するMS。(型式番号:GAT-X303AA)
ロッソイージス | |
型式番号 | GAT-X303AA |
所属 | 地球連合軍第81独立機動群"ファントムペイン" |
建造 | 地球連合軍(アクタイオン・インダストリー社) |
生産形態 | 強化改修機 |
全高 | 不明 |
重量 | 不明 |
装甲 | フェイズシフト装甲 |
武装 | ・60mm高エネルギービームライフル ・ビームサーベル×4 ・580mm複列位相エネルギー砲「スキュラ」 |
搭乗者 | エミリオ・ブロデリック |
機体解説[]
ロッソイージスは、地球連合軍第81独立機動群"ファントムペイン"がアクタイオン・インダストリー社を中心とした複数企業の技術協力を受け推進したエースパイロット用カスタマイズMS開発計画―通称「アクタイオン・プロジェクト」の成果の1つとして生み出された機体である。
本機は、プロジェクトの第一段階として再建造された初期GAT-Xシリーズの1機、X303イージスの強化発展機として開発された。機体名の“ロッソ”(Rosso、イタリア語の赤)の名通り、ベース機以上に鮮烈な印象を与える真紅のPS装甲色が特徴だが、外部上はほぼ同一の機体である。だが、内部機構がかなり複雑になっている。可変機構もベース機をそのまま踏襲しているが、背部に新規追加されたウイングバインダーを各部に展開させる事で、更に複数の新形態への変形が可能となっている。動力部分には核動力を組み込むための余剰スペースが存在していたことからネロブリッツと同様に条約違反前提に作られていることがわかる。
尚、型式番号の「AA」は『Advanced Acceleration(アドヴァンスド・アクセラレイション)』の略称である。
本機の専任パイロットはファントムペイン中尉エミリオ・ブロデリック。同僚ダナ・スニップ中尉駆るGAT-X207SRネロブリッツと共に、アグニス・ブラーエ以下マーシャンの殲滅任務を受け彼等の母艦アキダリアを追撃する。
変形パターン[]
- 巡航形態
- 高速移動時の巡航形態。ベース機から引き継がれた形態の1つだが、ウイングバインダーの空力効果を利用した大気圏内飛行も可能。ベース機よりも更に鋭角化されたシルエットが特徴。
- 突撃形態
- 巡航形態から両手足を展開した状態で、ベース機から引き継がれた形態の1つ。更に本機では左右ウイングバインダーもアームとしての機能を持ち、計6本に増加したアームを駆使した高い格闘能力を発揮する。
- 砲撃形態
- 胴体前面装甲を展開し、腹部のスキュラを露出させた砲戦形態。MS形態ではスキュラが使用不可となっていたベース機の欠点を解消する為に追加された新形態。同時に砲と平行配置されたウイングバインダーは、後期GAT-Xシリーズの1機GAT-X252フォビドゥンの誘導プラズマ砲の技術を用いたビーム誘導装置としての機能を持ち、磁場干渉によってある程度の射線偏向を可能としている。
- 飛行形態
- ウイングバインダーをジェットストライカーの様に両肩に水平配置したMS時の大気圏内飛行形態。最高速度こそ巡航形態に劣るものの、MSの汎用性を殺す事無く高い空戦能力を発揮出来る。
- 多脚形態
- MS形態からウイングバインダーを第3、第4の脚部に変形させた4足形態。山岳地帯等の不整地での移動を目的とした形態。MS、MAの長所を併せ持つ多目的形態である。
参考[]
- ZGMF-X11A リジェネレイトガンダム
- ザフト軍が奪取したイージスの変形機構を元に開発した核動力MS。
- GAT-X370 レイダーガンダム、GAT-333 レイダー制式仕様
- 初期GAT-Xシリーズの発展型として開発された後期GAT-Xシリーズの1機体。
- イージス同様X300系列に属する後発の機体。やはり飛行MAへの変形機構を持つが、可変方法はイージスよりも簡略化されている。このX300系列は基本的なフレームを持つX100系列やそこから派生したX200系列とは一線を画し、MAへの変形機構を持つフレームを使用した機体が含まれるカテゴリーであるとされ、必ずしもフレームの共通性があるわけではない。
- GAT-X370はオーブ攻略戦の為に急造された先行ロールアウト機であり、本来のレイダー (GAT-333) とは幾分仕様が異なる。
- 4LEG
- シド・ミードによりデザインされた『∀ガンダム』におけるミリシャの機体。本編未登場ながら、その独創的な変形機構は、イージスのデザインにそのまま流用された。
関連項目[]