ゲイツ (GuAIZ) は、アニメ『機動戦士ガンダムSEED』シリーズに登場する架空の兵器(モビルスーツ・略称はMS)。(型式番号:ZGMF-600)
注意:以降の記述で物語に関する核心部分が明かされています。
機体解説[]
ゲイツ | |
型式番号 | ZGMF-600 |
開発 | プラント |
所属 | ザフト |
生産形態 | 量産機 |
全高 | 20.24m |
重量 | 80.2t |
武装 | ・MA-M21G ビームライフル ・MA-MV03 2連装ビームクロー ・MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御機関砲×2 ・エクステンショナル/アレスターEEQ7R×2 |
主な搭乗者 | ラウ・ル・クルーゼ 叢雲劾 |
ザフトがジンの後継機として開発されたMS。次期主力機として期待されたが、開発当初の本機はビーム兵器の搭載自体設計プランに盛り込まれておらず、GAT-Xシリーズ強奪の段階で既に基本設計が完了していた機体に鹵獲したGAT-X機の技術を追加した為、その兼ね合いから実戦レベルの信頼性を獲得するのに時間が掛かってしまった。
その為、実戦投入の時期がC.E.71年の大戦末期とストライクダガーに比べ大幅に遅れてしまい、本格的に実戦に投入されたのはボアズ攻防戦と地球連合軍有利に傾いていた戦局を覆すまでには至らなかった。
従来設計局別であったMS開発であるが、本機はMMI社をリーダーカンパニーとし、主要全設計局をまとめた統合設計局により開発されている。
地球連合軍から鹵獲したGAT-Xシリーズのテクノロジーを多数投入しており、ザフトの量産機では初めて小型ビーム兵器を標準装備している。またカタログスペック上ではシグーを、更に当時の地球連合軍主力MSストライクダガーを充分に上回る機体性能を有している。
基本設計の完成度が高く、その後開発されるザフトガンダムの雛形である。
クルーゼが操縦するのは先行量産機で、上級指揮官用のパーソナルカラーであるグレーの塗装が施されている。また、ザフトは初のNJキャンセラー搭載MSドレッドノートのテストに参加した時は、叢雲劾がこの機体を操縦していた。
武装[]
- MA-M21G ビームライフル
- MA(マティウス・アーセナリー)社製の制式ビームライフル。ザフト製量産機の装備としては初の外部ジェネレータ依存型熱エネルギー兵器(ジェネレータ内蔵型ではジンのバルルス改が初)で、その性能はGAT-Xシリーズのライフルと比較しても遜色は無い。
- MA-MV03 2連装ビームクロー
- 対ビームシールド先端に2基のビームクロー出力デバイスを備えた攻防一体の装備。その名の通り爪状に湾曲した2本のビーム刃を出力し、装備変更のプロセスを経る事無く迅速に格闘戦へと移行する事が出来る。武器としての取り回しの良さを考慮してか、シールド自体はやや小型。
- 盾と武器を一体化させた装備という点ではシグーのM7070 28mmバルカンシステム内装防盾の発展形と言えるが、メカニズム的にはビームサーベル及びその他兵装が一体化されたブリッツの攻盾システム「トリケロス」を参考に開発されたものと思われる。
- MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御機関砲
- 頭部に2基内蔵される近接防御用CIWS。ゲイツはザフト製汎用量産MSとしては初めて頭部に固定火器を内装した機体であり、従来の機体に比べミサイルの迎撃力に優れる。
- エクステンショナル・アレスターEEQ7R
- 両腰部に設置されるビーム砲内蔵型ロケットアンカー。アンカーを敵機へ射出・捕捉後、ゼロ距離射撃による確実な撃破を目的とした独特の装備。ビーム砲自体の射程距離は極めて短く、実際の用法は刺突用のビームスパイクに近い。
- その特異性から近接戦闘で敵の意表を突くには有効だが、ケーブル長の限界による射程制限や使用タイミングの見極めの困難さ等、パイロットには相応の技量が求められる。これらの理由もあり、戦後改修型であるゲイツRではより扱いが容易なレールガンへと装備変更された。
備考[]
- この機体のデザインは2003年に開催した「機動戦士ガンダムSEEDメカコンテスト」において一般公募の中から最優秀作品としたものをメカニックデザイナーの大河原邦男氏がリファインしたものである。「∀ガンダム」以降、モノアイ型の量産型MSが商品化される際、「モビル~」と呼ばれるが、ゲイツの場合に限り、ビル・ゲイツと混同されやすいのでモビルスーツゲイツと呼ばれている。
- 『機動戦士ガンダム』のゲルググと同一の立場におかれた機体である。
バリエーション[]
- YFX-600R 火器運用試験型ゲイツ改
- ZGMF-601R ゲイツR
- YMF-X000A ドレッドノート
火器運用試験型ゲイツ改[]
火器運用試験型ゲイツ改は、『ガンダムSEED MSV』に登場するMS。(型式番号:YFX-600R)
火器運用試験型ゲイツ改 | |
型式番号 | YFX-600R |
建造 | プラント |
生産形態 | 試験機 |
全高 | 不明 |
重量 | 不明 |
装甲 | フェイズシフト装甲 |
武装 | MA-4B フォルティス・ビーム砲×2 GAU5 フォルクリス機関砲×4 MA-M20 ルプス・ビームライフル MA-M01 ラケルタ・ビームサーベル×2 MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御機関砲×2 MMI-M15 クスィフィアス・レール砲×2 |
ジャスティス、フリーダムに搭載される各種火器の運用試験を目的に改修された実験機。
背部にはジャスティスに採用されたファトゥム-00の原型になる巨大リフターを装備しており、各種武装も、ジャスティス、フリーダムとほぼ同じものを装備している。また、装甲にはザフト製MSとしては初めて、フェイズシフト装甲を導入している。
本機はニュートロンジャマーキャンセラー実用化以前に計画されたもので、動力は従来型のパワーパックである。そのためフェイズシフト装甲とビーム系火器を同時使用した際の活動時間は、最長でも五分に満たないという欠点を持つ。活動時間延伸のため苦肉の策として、リフター内部に補助パワーパックが増設されたが、それでも活動時間は10分に満たなかった。
本機の圧倒的な火力は設計陣を十分に満足させるものだったが、当然ながら実戦への投入は考慮されていなかった。しかしザフト、地球連合双方の兵士による非公式な目撃証言によれば、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦に少なくとも数機、本機が参戦していたと思われる。バッテリーケーブルを接続したまま、要塞表面で固定砲台的な運用を行われ、三隻同盟・クサナギの所属と思われるM1アストレイ、M1Aアストレイと交戦した記録もある。
それ以外にも、ジェネシスに取り付こうとした地球連合軍の精鋭部隊が、この火器運用試験型ゲイツ改と交戦し、その際対峙したMSの中に、ガンバレルダガーが存在したらしい。ザフトには公式に本機の出撃を命じた記録は残されていないため、前線兵士の独断による出撃だったと推測されるが、詳細は不詳である。
ゲイツR[]
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場するゲイツの戦後改修型。型式番号の「R」はReinforce(強化する)の略。(型式番号:ZGMF-601R)
ゲイツR | |
型式番号 | ZGMF-601R |
建造 | プラント |
所属 | ザフト |
生産形態 | 量産機 |
全高 | 20.24m |
重量 | 77.3t |
武装 | MA-M21G ビームライフル MA-MV05 複合兵装防盾システム MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御機関砲×2 MMI-M20S ポルクスIVレールガン×2 |
主な搭乗者 | ザフト軍一般兵 ショーン デイル ザフト軍脱走兵 |
主な改修点としては背部スラスター群の内の2基が取り除かれ、代わりに腰部背面に3発のスラスターが増設されている。これにより機体の機動力を維持しつつ、多少の軽量化と省スペース化を実現している。
武装においては特徴的だったエクステンショナル・アレスターに代わって左右腰部にレールガンが装備され、遠距離への攻撃が可能となっている。又、シールドはドレッドノートの盾に近いものに変更された。
近・中・遠距離全ての距離に対応できる武器と高い機動性を備えたバランスの良い機体であるハズなのだが、劇中では序盤から連合に強奪された3機のセカンドステージシリーズ、エグザス、更にはダガーLやジン・ハイマニューバ2型等のMSやMAにやられっぱなしであった。ちなみに主力としての就役からしばらくして、プラントの過激派によって、一部の機体がザフト軍脱走兵達の組織に横流しされている。
ザクウォーリアを始めとするニューミレニアムシリーズの登場により、物語序盤の時点で(ミネルバやジュール隊などザフトの主力部隊にも配備されていたものの)既に旧式化しつつあり、ザク・グフの量産体制が整った終盤では出番が少なくなっている。
- MA-MV05 複合兵装防盾システム
- ビームサーベルと盾を一体化させた武装。盾が大振りでビーム刃1本に減らされている事から、ゲイツの2連装ビームクローと比べ、盾としての性能やエネルギー効率では上回るが、格闘兵装としての使い勝手はやや劣る。
- MMI-M20S ポルクスIVレールガン
- 左右腰部に装備されたレールガン。形式番号やレイアウトからフリーダムの「クスィフィアス」の改良型であることが窺えるが、レールガンのサイズやゲイツRがバッテリー動力である事を考えると、威力はデュエルの「シヴァ」と同程度であると思われる。
関連項目[]
- ドレッドノートガンダム