注意:以降の記述で物語に関する核心部分が明かされています。
概要[]
フェイズシフト装甲 (PS装甲:Phase Shift Armor) は、一定の電圧の電流を流す事で相転移する特殊な金属で出来た装甲である。この事から相転移装甲とも呼ばれ、相転移した装甲は相転移前と比べ遥かに強靭になり、砲弾やミサイルなど実体弾に対し驚異的な防御力を発揮する。この金属は相転移に伴い色も変化する性質があり、通電すると通常はメタリックグレーの装甲が鮮やかに色付く。また。相転移時の色は装甲に掛けられた電圧によって決まる。
地球連合軍がG兵器に搭載し、初めて実用化され、フェイズシフト装甲を持つMSの防御力は実体弾としては最高峰の貫通力を有するレールガンやリニアガンの直撃にも耐える程であり、実体弾ならほぼ完全に無力化する事が出来る。また、耐熱性も、大気圏突入時の熱にも完全に耐える程にまで向上し、MS単体での大気圏突入が可能である。
フェイズシフト装甲の展開を維持するには常に装甲に電流を流し続ける必要があり、機体のエネルギー消費が早くなり稼働時間を大幅に短縮してしまう。機体のエネルギーが切れて相転移を維持出来なくなると装甲の色もメタリックグレーに戻ってしまう。この状態をフェイズシフトダウンと呼び、それにより外見からエネルギー切れが露呈してしまうという欠点もある。また、この装甲で実体弾兵器の直撃に耐える事が出来ても、着弾時の衝撃までは無効化する事が出来ず、被弾すればコックピットや機体内部に従来装甲と比べて遥かに大きな衝撃が加わる事になり、内部機構やパイロットにダメージが発生する。
関節部分や推進器の基部、カメラなど、構造上装甲で覆う事が不可能な部分までカバーする事が出来ない点は、従来の装甲と同様であり、ビーム兵器の直撃に耐える事は出来ない。
余談[]
- 理論的にはかねてから存在していた技術だが、装甲材となる金属は無重力、またはそれに準じた低重力環境でしか精製が不可能であった。
- 初期GAT-Xシリーズは、アンドリュー・バルトフェルドによるとバクゥのミサイル76発分のダメージでフェイズシフトダウンを起こす。
- ザフト軍は、ニュートロンジャマーキャンセラーを使用する事でMSに核エンジンの搭載が可能となり、フェイズシフトを長時間展開し続けられる核動力搭載型MSであるフリーダム、ジャスティス、プロヴィデンスを開発した。これによりフェイズシフトダウンを防ぐだけで無く、ビーム兵器の大幅な出力向上に寄与した。
- ザフト軍の巨大ガンマ線レーザー砲ジェネシスは、外装にフェイズシフト装甲を使用する事で高い防御力を実現している。第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦において、ジェネシスがクサナギとエターナルのビーム兵器による一斉射撃やローエングリンによる陽電子砲含を完全に防いでいた。なお、フェイズシフト装甲展開時の装甲の色は水色になっている。
- ストライクフリーダムとインフィニットジャスティスは、ハイパーデュートリオンや新型推進装置の採用等により機体構造に加えられる負荷は通常の機体を遥かに上回り、機体構造の保護するため装甲だけではなく、間接部や機体フレームにもPS装甲材を採用している。吸収しきれない程の負荷がフレームに加わった場合は、フレームが金色や銀色に発光する事で光という形で余剰エネルギーを放散し、機体構造を保護している。この状態はフェイズシフト装甲で最も出力が高い状態となっている。
- フェイズシフト装甲展開時の色は装甲に掛けられた電圧によって決まり、ストライクルージュの機体色がオリジナルの機体色から変化している。
- 『SEED DESTINY ASTRAY』では、イライジャ・キールのザクファントムがフェイズシフト装甲によりハイペリオンのビームサブマシンガンを防いでいた。
- フェイズシフト装甲は機動戦士ガンダムSEEDの監督である福田己津央が「最強のガンダムを作りたい」と言う一言で生まれたとも言われている。