コズミック・イラを舞台とする作品のうち、『機動戦士ガンダムSEED』にはブーステッドマン (Boosted man) と呼ばれる強化人間が登場する。ただしこの呼び名は小説版しか確認されておらず劇中では「生体CPU」としか呼ばれていない。
地球連合軍がコーディネイターとの戦争遂行にあたり、兵士として彼らを凌駕する能力を持つよう、投薬、特殊訓練、心理操作によりコーディネイター以上の身体能力を持たせたナチュラルのこと。宇宙世紀で言う所の強化人間である。
彼らは、外科手術で脳内や分泌腺内にマイクロ・インプラントを埋め込み、更に「γ-グリフェプタン(Gamma-Glipheptin)」という薬物を使用することにより、耐久力や反射速度を極限まで向上させている。この結果、彼らはナチュラルでありながら、コーディネイターのモビルスーツに匹敵する性能を持つ、専用モビルスーツの操縦に必要な能力を獲得している。
また、彼らには訓練中の心理コントロール(一種の洗脳)により、モビルスーツに搭乗することで、先頭に対し恐怖心を持たず、敵に対して凶暴性を増すような条件付けもされている。
彼らが使用している「γ-グリフェプタン」という薬物は、彼らの改造強化された肉体にとって、なくてはならない必須薬物であり、定期的に投与する必要がある。これは一見すると致命的な弱点ともとれるが、地球連合軍にとっては、脱走や裏切りなどを防ぐ効果も期待できたとされる。
彼らは常人をはるかに上回る自らの身体能力の数々、そして搭乗機の多機能/高機能を制御すべく、それを実行しうる高度な覚醒レベルと脳神経活動、集中力を、少なくとも作戦行動中は生み出し続けなければならない。このためブーステッドマンは、脳内麻薬物質の必要量も常人と比べ膨大となり、人工的に調剤された超脳内麻薬ともいうべき薬物「γ-グリフェプタン (Gamma Glipheptin) 」を定期的に摂取しなければならなくなっている。このγ-グリフェプタンは、カテコールアミンと呼ばれるストレスホルモンに由来する、ドーパミンやノルアドレナリンに似た神経伝達物質(脳内麻薬)の一種である。多くの麻薬同様、依存性があるため、効果が切れると凄まじい禁断症状に苦しみ、最終的には麻薬の禁断症状の末路と同様、廃人となるとされる。
また、γ-グリフェプタンには精神高揚の効果もあるため、摂取直後には興奮状態となり、さながら狂戦士のように死をも恐れず戦うことができる。しかし、死への恐怖だけでなく冷静な判断力も麻痺させるため、暴走する事がままあり、他にも作戦行動中に効果が切れて禁断症状に陥ると戦闘不能状態になるなど、兵士に使用するには致命的な欠陥も抱えている。また、命令に従わないと禁断症状が出てしまうため、嫌々に命令に従っている姿が劇中で見られる。
『機動戦士ガンダムSEED RGB』ではこの薬物を基にした向精神薬グリフェプタンDが登場する。
劇中にはオルガ・サブナック、シャニ・アンドラス、クロト・ブエルの3名のブーステッドマンが登場する。
劇中でナタル・バジルール少佐が登場する3人のブーステッドマンのデータを参照した際にオルガ・サブナック:強化インプラントStage2、クロト・ブエル:〃Stage3、シャニ・アンドラス:〃Stage4との表現があり、Stageの数字と3人の精神破綻の度合いが比例している。そのため、これは強化の進行度を表しており、強化が進行するほど精神の破綻を来すものであると思われる。
これに近い存在として、外伝ASTRAY『B』に脳がモビルアーマーペルグランデと直結した文字通りの生体CPUというべき強化人間が登場する。