ラミネート装甲は、日本のアニメ『機動戦士ガンダムSEED』に登場する架空の装甲材。オーブ連合首長国の協力を得て地球連合軍が開発した新技術である。
注意:以降の記述で物語に関する核心部分が明かされています。
ラミネート装甲[]
アークエンジェル級に採用されている特殊装甲。一部分で受けた攻撃エネルギーを装甲全体(艦全体)に拡散させることで損傷を軽減する。ビームのエネルギーを熱エネルギーに変換するため、排熱に問題がなければ、ビーム兵器を無力化することができる。
ちなみに「ラミネート」とは『積層』という意味である。つまりラミネート装甲とは従来の分厚い1枚物の装甲ではなく、ある程度薄い装甲(もしくは異なる性質を持つ装甲)を何層かに重ねる事で従来の装甲と同じ厚さと強度を持たせた装甲と思われる。ただ、1枚物の装甲に比べ構造が複雑となる分だけコストが高騰するのは避けられず量産には向かないため、特別に設計された旗艦クラスの戦艦やごく一部のモビルスーツにしか使用されていないようである。
現実に、第三世代主力戦闘戦車などに採用されている爆発反応装甲(チョバムアーマー)や中空装甲なども積層装甲(または複合装甲)の一種である。しかし、劇中の様に対ビーム能力などは考慮されていない。それは、そもそも有効なビーム兵器が実用化されていない21世紀初頭の段階では必要性がない。従って21世紀初頭に於ける積層装甲の役割は靭性と強度など高レベルの防弾性(貫通力の分散、特殊弾頭のエネルギー分散)にあり、劇中とは別種の技術と考えることが妥当である。
メリット[]
MSおよび戦艦の主兵装がビーム兵器になる中で、ビームによる損傷を軽減出来るラミネート装甲を搭載するアークエンジェル級やミネルバは、他の量産艦と比べて有利に戦える。さらに、排熱が間に合う限りビーム兵器をほぼ無効化することができ、敵の主力兵器が光学兵器に移行している中では鉄壁の装甲である。
デメリット[]
排熱が間に合わなくなると装甲全体が致命的ダメージを受けるという欠点がある。なお、ミサイルなどの攻撃には通常の装甲と同様の防御力しかない。劇中の例として、フリーダムのラミネートシールドはウィンダムのスティレットが直撃して大破した。しかし戦艦の装甲については、MSの装甲に比べて厚いため十分な防御力を持つ。
MSへの利用[]
改良が加えられ、105ダガーなどの地球連合軍製モビルスーツにフェイズシフト装甲の代わりとして使われている。また、ザフトではフリーダム・ジャスティスのアンチビームシールドとして使用されている。劇中では、カラミティが放ったスキュラを正面から受け止め、これを押し返してスキュラの砲身を大破させるなど、優れたビーム耐性を発揮した。またロウ・ギュールがアークエンジェルの修理に関わったこともあり、アストレイブルーフレームセカンドLのタクティカル・アームズの装甲に使用されており、その特性を活かしハイペリオンガンダムの光波防御シールド「アルミューレ・リュミエール」を貫通して攻撃を行っている。
関連項目[]